俺が初めて伊豆半島を一周したのは今から50年前。沼津から下ったが修善寺を過ぎたら
下田まで約100キロ、全て砂利道だった。途中は川となって濁流の中、がけっぷちを
走る感じで怖いの一言だった。宇久須も今のような砂浜では無く完全なゴロタ石で覆われた
海水浴など不可能な海岸だった。今のように海抜の高い部分にバイパスも無く、どんな
小さな港も一旦下って横を通り過ぎて再び山岳部に入ると言うような砂利道が延々と続く
悪路だった。ただ自然豊かで走っていると土肥あたりから猿がいたり、道端にウズラの親子の
行列を見たり、自然の豊かさは語り尽くせないほど見ることが出来た。
昭和50年代に入った頃にほぼ全面舗装となったが、峠道の連続は平成20年頃まで続いた。
50年以上前の15歳から通った仁科地区。数年前にも行ったが西伊豆地区の住民が鉄道を拒
んで得た貴重な自然は今も健在だ。関東からほど近い海岸の秘境と言える西伊豆はこれからも
大切にしていきたい。東海岸の下田より上には全く興味が無い。あちらは観光地のままで
良いのだろう。今さら破壊した自然は戻らない。