忍者の里として知られる滋賀県甲賀市で、日本三大忍術伝書「万川集海(まんせんしゅうかい)」の元になったとされる忍術書「間林清陽(かんりんせいよう)」の写本が見つかった。甲賀市が立ち上げた甲賀流忍者調査団が確認し、19日に発表した。団長の磯田道史・国際日本文化研究センター教授(日本近世史)は「実戦的な忍術の記述がみられ、忍者研究のうえでとても意義がある」と話している。

 万川集海は甲賀市の指定文化財になっており、冒頭に、間林清陽の要点をまとめ、時代に合うものを選んだと記されている。間林清陽は上中下の3巻があったとみられるが、現物は見つかっていなかった。

 今回確認されたのは「中」で、奥付に江戸中期にあたる延享(えんきょう)5(1748)年とあり、万川集海の成立の約70年後に書かれた写本とみられる。調査団は、万川集海が言及している術技が記載されていることや、尾張藩の甲賀者として働いた吉川家にゆかりのある古文書が保管されている蔵から見つかったことから間林清陽と判断した。

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