<ドラゴンボール超 スーパーヒーロー>映像美の秘密 細部までこだわり抜く 児玉徹郎監督に聞く

 鳥山明さんのマンガが原作の人気アニメ「ドラゴンボール」シリーズの21作目となる劇場版アニメ「ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー」(児玉徹郎監督)が、公開された。
2018年12月公開の第20作「ドラゴンボール超 ブロリー」以来の劇場版で、最新技術によって、“ドラゴンボールらしさ”がありながら新しい映像表現に挑んだ。児玉監督に制作の裏側を聞いた。

 ◇コマ単位で画を変える

 「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」は、原作者の鳥山さんが脚本・キャラクターデザインを担当した。児玉監督は「ブロリー」で3Dパートを担当したことがあり、新作では監督に抜てきされた。「ブロリー」は全世界の興行収入が135億円を突破するなど大ヒットし、世界中で人気の作品ということもあり、児玉監督は「最初は不安が大きく、大きな課題もありました」と明かす。

 「さまざまな世代のファンがいる作品です。これまで培ったものがあり、そこから外れることもできません。落としどころが難しいんです。
ただ、最初に気にしていたことは解消されたとも思います。セルルック(手描き風3DCG)では表現が難しいところもありました。
画、線が弱くなり、表情が淡泊に見えてしまうこともあります。CGの弱点とは?とスタッフと問答し、違和感を払拭(ふっしょく)することに一番力を注ぎました」

 映像の細部までこだわり抜いた。

 「作画は、画が一枚一枚変わり、無意識に見られるところもあります。一方、CGは画が固定されていて、それが動くと違和感が生まれることがあるんです。
連続した情報の変化と維持について研究し、コマ単位で画を変えていこうとしました。作画にはできないこととして、密度、線のクオリティーを上げることもできます。
CGのよさと、作画でしかできないことのいいところを寄せ集め、画として見せられる表現を目指しました」

https://news.yahoo.co.jp/articles/7fa837e6151902dc81d593de3a38285f95536900