「解像度」の低さがナゾ 若手記者から見たメディアの「若者像」

選挙のたび、若者が責められる構図って……

若者が何を考えているのか聞き出したい。そして、「実像」を記事で伝えたい、と鼻息を荒くする私たち
「非・若者」の記者やデスクに対し、若手記者たちは時折、首をかしげた。

「若者、若者っていうけど、学生もいれば社会人もいるし、『意識が高い人』からそうでない人までいろいろ。誰を想定しているのか」
「選挙の話になると、投票率の低い若者を責める構図になるのが嫌」
「ステレオタイプに押し込まないでほしい」

一言で言えば、これまで新聞が描いてきた「若者」の姿はきっと「解像度が低かった」のだろう。
「投票に行かない若者」や「意識の高い一部の若者」などと分かりやすい物語にはめ込み、
レトロゲームのような「ドット絵」を惰性で描き続けてきたのではないか。
彼らを理解したつもりで、ネタとして消費してきたのではないか――。

そして、それは若者だけでなく、「主婦」や「会社員」といった描き方にも通じる。
長年続いてきた報じる側の怠慢は、ずっと前から見透かされていたのだと気づいた。
https://www.asahi.com/articles/ASQ6L5J9JQ6KUTIL067.html