政界に進出する「Qアノン」--陰謀論に惑わされないために
米国のDonald Trump前大統領をめぐって広まった極右系陰謀論「QAnon」は、Trump氏がホワイトハウスを去った後も消えることはなかった。
米国人が気づいているかどうかにかかわらず、この突飛な陰謀論を信じる人は今も相当数存在し、米国の政治論議の一部となっている。
QAnonは2017年10月にインターネットの匿名掲示板に投稿された一連のメッセージから始まった。
QAnonの信者たちは、ハリウッドや民主党には悪魔を崇拝する小児性愛者の秘密結社が存在し、Trump氏はこうした悪と秘密裏に戦っているのだと主張する。
宗教、文化、公共政策の関係を研究する超党派の非営利組織、公共宗教研究所(PRRI)が
2月に発表した調査によれば、米国人の約16%がQAnonの中心となる陰謀論を信じているという。
「QAnonは、世界を救うための軍事諜報活動を秘密裏に率いているTrump氏というストーリーを中心に据えた運動から、
Trump氏どころか、この4年間に登場したどんなシンボルも必要としない運動へと進化した」と指摘するのは、陰謀論の研究者で、
QAnonの歴史をまとめた「The Storm Is Upon Us」の著者、Mike Rothschild氏だ。
略
Grid Newsによると、2022年はすでに28州で78人のQAnon信者が立候補しているという。
その中でも特に注目されるのが、「Q」本人だとうわさされているRon Watkins氏だ。
同氏は、匿名掲示板「8chan」の元管理人であり、ドキュメンタリーシリーズ「Qアノンの正体(Q: Into the Storm)」では、
Qによる投稿の多くに関わっていると指摘された人物だ。アリゾナ州第2区に出馬している。
2020年の大統領選挙では、不正な投票が行われたと繰り返し主張し、共和党内で注目されるようになった(この主張はのちに反証されている)。
2022年11月の中間選挙に向け、アリゾナ州では8月2日に同氏を含む、複数の立候補者の中から共和党の候補者を決める予備選挙が行われる。
ペンシルバニア州知事選挙でも、過去にQAnon支持を表明していたDoug Mastriano氏が出馬し、5月に共和党の指名を獲得した。
同氏は2018年にQAnonのハッシュタグやスローガンを含むメッセージを複数回ツイートしている。
2022年11月の本選挙では共和党候補として、民主党のJosh Shapiro候補と対決する予定だ。
いかそ
https://japan.cnet.com/article/35187955/