ゲルマン民族はどこから来たのか?アーリア人種学説と民族の固有性の基盤、ゲルマン民族興亡史

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今回は、前回の記事の冒頭で挙げたもう1つの問い、「ゲルマン民族はどこからやって来たのか?」という問いについて考えてみたいと思います。

ゲルマン民族とインド・ヨーロッパ語族

ゲルマン民族は、前回書いたケルト人やヒッタイトと同様に、インド・ヨーロッパ語族に属する言語を母語とする民族で、言語系統の分類において、インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派に属しています。

インド・ヨーロッパ語族には、古代では、ラテン語、ギリシャ語、サンスクリット語、ケルト語、ヒッタイト語、

現代でも、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ヒンディー語(インド)、ペルシア語(イラン)さらに、ロシア語、ウクライナ語など、ヨーロッパを中心に数多くの言語が含まれていて、世界で最も広く話されている支配的な言語と言ってもよいと思われます。

インド・ヨーロッパ語族の祖先は、紀元前6000年頃に、黒海・カスピ海周辺(中央アジア西部から現在のウクライナ)の草原地帯で発祥し、農耕や牧畜、遊牧生活などを営んで生活していたと考えられています。

そして、そこから、徐々に世界各地へと移動を開始していき、インド、イラク、トルコ、さらには遠くヨーロッパへと、その活動の範囲を大きく広げていったのです。