エンタメ 2022/06/18
「TVer」普及で変わるテレビ 地方局発の盛り上がり、〝お宝〟映像も
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TVerは「テレビ」にどんな変化をもたらしたのか。
出典: Getty Images

鈴木旭
ライター

4月1日にサービスのリニューアルを実施、11日から民放5系列のリアルタイム配信を開始したTVer。CMには笑福亭鶴瓶を起用し、テレビが「変わるんなら、今」と意気込むが、実際にTVerによりテレビはどう変わってきたのか。3月には月間の動画再生数が2億5千万回を突破、過去最高記録を叩き出す一方、リニューアルには賛否も。今後の可能性を含めて考える。(ライター・鈴木旭)

テレビ「変わる」と鶴瓶CM
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笑福亭鶴瓶さん。=2020年2月6日、東京都千代田区、池永牧子撮影

2015年にサービスが開始され、再生数を伸ばし続ける「TVer」。今年は地上波との同時配信に伴い、4月8日から「もっと、今をつなぐテレビへ。」キャンペーンも行われ、テレビCMと渋谷駅、表参道駅、大阪駅など主要駅での交通広告も展開。一大プロジェクトとしてスタートした。

6パターン制作されたテレビCMには、幅広い世代に人気の笑福亭鶴瓶が出演。「『テレビは変わる』『テレビは変わらなあかん』て何年言うとんねん。ずっと言うてるやろ? でも、ほんまに変わるんなら、今やと思うで」という庶民的でストレートな語りがTVerのその後を期待させた。

しかし、滑り出しは好調とは言えなかった。4月1日にリニューアルして間もなく、ネット上で「使いにくくなった」「改悪」「元に戻してほしい」といった声が噴出したのだ。その多くは大きな変更が行われたユーザーインターフェースへの批判だった。

その後、TVerは問題点について、順次改修していくとアナウンス。改修後に騒動は収まるかと思われたが、依然として「元の仕様に戻してほしい」という不満の声も多い。

“テレビはネットに疎い”というイメージが先行してしまった格好だが、後述するように、テレビらしく配信サービスに順応していることへの評価があるのもまた事実である。