仏与党が過半数割れ 下院選決選投票で左派・極右躍進―政権不安定化は不可避:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022062000072&g=int
【パリ時事】フランス国民議会(下院、定数577)選挙の決選投票が19日行われ、マクロン政権を支える中道の与党連合は245議席にとどまり、過半数(289議席)を割り込んだ。与党連合は政策的に近い穏健右派・共和党との連携を模索するとみられるが、協力を得られるかは不透明。最大野党勢力となった左派連合の意向も無視できず、マクロン大統領は難しい政権運営を強いられることになる。
ロシアのウクライナ侵攻で国際情勢が不安定化する中、マクロン氏は政権の安定化に向け与党連合の過半数確保を目指した。与党連合は最大勢力の座は維持したものの、レゼコー紙によれば、ブルギニョン保健相ら閣僚3人が落選するなど苦戦。ウクライナ危機に伴う物価高が大きな争点となり、政権与党に対する有権者の不満となって表れた格好だ。
一方、急進左派「不屈のフランス」創設者のメランション氏が主導する左派連合は家計支援策を掲げて躍進、131議席を獲得した。極右政党「国民連合(RN)」も89議席(前回8議席)と大幅に勢力を伸ばした。
ボルヌ首相は19日夜、「(1958年から始まった)第5共和制でこのような構成の下院はなく、わが国にとってリスクだ」と危機感を表明。「多数派工作の作業をあすから進める。国を率い、必要な改革を行うのに代替策はない」と述べた。
これに対し、系列政党と合わせて64議席を確保した共和党のジャコブ党首は19日夜の記者会見で「われわれは野党であり続ける」と改めて主張した。同党は、親欧州連合(EU)姿勢や構造改革の必要性では与党連合と一致しており、今後は法案ごとに与党連合との協力の可否を判断する方針だ。(2022/06/20-14:30)