特捜検事２人を不起訴に、大阪地検 横領無罪の不動産前社長が告発
学校法人明浄学院をめぐる業務上横領事件で無罪が確定した東証スタンダード上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」（大阪市）の山岸忍前社長（５９）が、捜査を担当した検事２人を証人威迫などの罪で刑事告発していた問題で、大阪地検は２１日、いずれも不起訴とした。
関係者によると、大阪地検特捜部に所属していた検事２人は令和元年１２月、取り調べで山岸氏の元部下に「会社が被った損害を賠償できるのか。１０億、２０億では済まない」と迫り、山岸氏との共謀を認める虚偽の供述をさせたとしている。
山岸氏は平成２９年の土地取引で、当時の学校法人理事長らと共謀し法人資金２１億円を横領したとして令和元年１２月に逮捕、起訴された。大阪地裁は昨年１０月、「元部下の供述は信用できない」として無罪判決を言い渡し、確定した。
山岸氏の弁護団は今年３月２９日、検事２人に対する告発状を最高検に提出。その後、「回付」と呼ばれる手続きを経て大阪地検が５月１１日付で受理し、捜査を進めていた。山岸氏は元部下についても偽証罪で刑事告発していたが地検はこの日、同様に不起訴とした。
山岸氏は、逮捕後に株式売却などを強いられ損害を被ったとして、国に７億７千万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こし、現在審理が続いている。
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