ウクライナ侵攻から約4カ月がたち、世界から孤立するロシア経済が、「ソ連化」の道を突き進んでいる。自動車産業はプーチン政権主導で国産化を急ぐが、性能面の低下は隠せない。かつてのソ連は、国による計画経済が欧米の資本主義経済に「敗北」して崩壊の道を歩んだ。ロシアはこれからどんな道を歩むのだろうか。

 「最新の快適装備や安全機能が一つも用意されていない」

 ロシアの自動車最大手「アフトバズ」が今月公開した主力車「ラーダ」の最新モデルへの驚きを、ロシアメディアはこんな見出しで表現した。

 新型にもかかわらず、先進国では当たり前となったエアバッグやABSなどの装備はない。エンジンの排ガスも、最新の規制には適合しないという。

 アフトバズは2012年、日産自動車・仏ルノー連合が買収で合意し、同連合の参加で開発・生産を続けてきた。だが、ウクライナ侵攻を受けた欧米の対ロシア制裁の影響で部品調達が難しくなり、4月上旬以降は、ほぼ生産ができない状況になった。

 ルノーは5月16日、保有するアフトバズ株の約68%全てをロシアの国営機関に売却し、ロシアから完全撤退すると発表。アフトバズは、外資に頼らず、独立して存続を目指す態勢をつくった。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ6Q4J8HQ6QUHBI00W.html