黒田日銀の目標。
それは一貫して実質金利マイナス幅※1(予想インフレ率[BEI]と名目金利の乖離)を拡大させる事だった。
https://i.imgur.com/q7QbUA2.png
【※1】
実質金利マイナス幅の拡大とは、日々カネの価値が“減価し続ける”という事なのだ。リフレ派の考えだと、この状況下では民間にとって“貯蓄”が機会損失になり、不動産やら設備投資やらに貯蓄を回し景気が上向くらしい。
つまり『貯蓄から投資へ』
正確に言うと、『貯蓄(してるとカネが減価してドンドン損する)から投資(せざるを得ない状況)へ(国民を仕向ける)』。
日銀は上記【※1】の様なプロセスで景気回復を狙っていたわけだが、画像を見れば分かる通り①2014年4月の消費増税でインフレ期待[BEI]は頭打ち。②15年6月から始まる中国経済後退の影響を受けて一気に下落する。
驚いた日銀も負けじと名目金利の方を下げる反則技スレスレのアプローチ(マイナス金利導入)を打ちまくるも、
トランプが日銀の追加緩和牽制したりで身動きが取れていない間に消費税10%。そこにコロナのダブルパンチで本格的な景気後退が始まり、実質金利もプラスに転じる(インフレ期待と名目金利が逆転する)始末。
黒田総裁は泣いた。
「(俺はただ、国民の貯金の価値をゴミクズにしたいだけなのに...)」
しかし2021年、転機が来る。
アメリカ発の世界的インフレだった。
↓【アメリカのインフレの話】〈本筋とズレるので読み飛ばしても良い〉