一度は途切れた「日本一の納豆」の味、91歳の名人直伝で継承 さいたま市の福祉作業所が奮闘中
大粒でふっくら。
かむと驚くほどやわらかく、濃厚な大豆の風味が広がる-。
そんな納豆が、埼玉県にある障害者の福祉作業所で作られている。
製造を手ほどきするのは、かつて納豆の鑑評会で「日本一」に輝いたことがある91歳の職人。
3年前に廃業したが、それを知った地元の社会福祉法人が「名人の技を継がせてほしい」と頼み込んだ。
伝統の味がよみがえり、評判を呼んでいる。
同協会の作業所では14年前から、品質向上と障害者の工賃アップのために民間の職人に技術指導してもらい、パン製造などに取り組んできた。
松嶋さんも指導を快諾してくれたが、準備を進めていた昨秋に病気で入院。
新しい製造所の竣工式にも出席できず皆で気をもんだものの、復活を果たし、指導に来てくれるようになった。
高橋さんは「とにかく松嶋さんの納豆愛がすごい。長年の勘で教えてもらうと、がらっと味が変わる」と感心しきり。
原料にこだわり、北海道産の大豆「とよまさり」を使う。
今年5月から本格的に製造を始め、「まつば納豆直伝 最高峰杉の子」の商品名で週に約1500パック出荷する。
「味は最高。後はもう少し色が良くなるといい」と松嶋さん。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/184493