価格の優等生 卵も例外なく値上げ 飼料代高騰で
様々な食材が値上げされる中、「価格の優等生」と言われる食材もその例外ではない。卵。最大の値上げ要因はニワトリのエサの高騰で、1日のエサ代がこれまでより10万円以上も増えている養鶏業者は苦境に立たされている。
河北町の養鶏場。卵の生産や加工を行う半澤鶏卵は県内4か所の養鶏場で約4万2000羽のニワトリを飼育し、1日約2トンの卵が生み出されている。卵は県内のホテルや菓子店に出荷するほか、養鶏場近くの自動販売機で直売しているが、いま、頭を悩ませているのがニワトリのエサ代の高騰。
半沢清彦社長「一言で言うととても厳しい。(エサを)輸入しているので円安原油高で船賃が高いウクライナでトウモロコシの生産もしていて重なった」
エサは大豆や地元産の飼料米など約20種類を配合している。その中で半分ほどを占めるのがアメリカなどから輸入しているトウモロコシ。
農林水産省によると、ニワトリのほか、豚や牛などを合わせた平均の飼料価格は2020年に1トン当たり6万6000円ほどだったが、ここ2年で急激に上昇し、4月の価格は8万8569円となった。
10年前に比べると、約6割も値上がりしている。半澤鶏卵では、4か所の養鶏場であわせて1日4トンのエサを使っている。エサ代は円安や原油高、ウクライナ情勢など多くの要因が重なり、おととしに比べて1日当たり約12万円も高くなったという。
半沢社長「安いエサを与えるのではなく今まで以上のエサを与えるようにしていて、より付加価値を高めて喜んでもらわないと」
消費者に安全でおいしい卵を食べてもらいたいと安いエサに切り替えることはしないという。しかし…。
柿崎記者「卵の直売所。エサ代の高騰で値上げに踏み切った」
直売している卵は去年10月から1キロ当たり100円の値上げを余儀なくされた。今後、影響が続けば、外国産のトウモロコシを国産の物に変更することも検討しているという。
エサ代高騰の影響は売り場にも。こちらのスーパーでは、これまで特売で卵1パック98円で販売していたが。
フードセンターたかき元町店の高橋実店長「ニワトリのエサ代の高騰で特売で118円で販売している」
一定の価格を保ち続け、「物価の優等生」と言われてきた卵。しかし、卸しの最大手「JA全農たまご」はことし4月、飼料価格の上昇を理由に14年ぶりに出荷価格の引き上げを決めた。それはつまり、卸し会社から購入するスーパー側のコストアップにつながる。今後も飼料価格の高騰が予想され、店も養鶏場もどう対応するか、苦境が続きそうだ。
半沢社長「(値上げは)お客様には申し訳なかった。思い切った値上げだったが次のエサ代の値上がりを考えるとまた上げないといけないのかと思うが、もう少し我慢する」
食卓には欠かせない卵。先の見えない不安はしばらく続きそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/459409f276c91c5cf577ab701b6db4a6fc2814e8