「この界隈のことを記事にしたいから色々教えて欲しい? やだよ時間ない。えー、ご飯奢ってプラスでお金渡すから?そうだなあ……ご飯代プラス5000円ならいいよ」

ミヅキと称する20歳の女性は、筆者の声かけに警戒しながらも、そう応じてくれた。

6月上旬の平日夜8時頃、西武新宿駅から徒歩2~3分ほどに位置する大久保公園と、その真向かいの大久保病院の間の路地で、ミヅキはスマホをいじりながら立っていた。

同じ通りには彼女の他に若い女性が5~6人と、30~50代を中心とした中年男性が20~30人ほど見られる。ときおり中年男性の一部が、女性たちにひそひそと声がけしているーー援助交際の持ちかけだ。そしてそのまま2人で通りを後にする光景も見られる。ミズキは次のように言う。

「もともと友達がこのあたりでウリをしていて、ウチは去年の秋からここに立ち始めてる。今日は全然お客さん引けなくて絶望してた(笑)」

もともとこの大久保公園を囲む四方の道路や、その奥にある健康施設ハイジア周辺の一帯は、以前から「立ちんぼスポット」して知られ、コロナ禍に入る前には白人や中国人女性の姿もあった。

それがここ最近、あたり一帯を「交縁(こうえん)」という造語が飛び交い、若い日本人の女性の立ちんぼが増えている。手慣れた様子で声を掛ける男もいれば、なかなか踏ん切りがつかない様子で大久保公園の木の柵にもたれかかっている男もいる。

「大久保公園で援交するから、略して『こうえん』」ーー。ミヅキはそう造語の由来を語るが、この名称がいつ頃から流通するようになったかは定かではない。

それでもTwitter上で「交縁」と検索すると「ホ別1.5NS→2NN」「黒髪清楚 G1.5 撮影有」のように、援助交際の情報や値段を報告するツイートが引っ掛かる。中には買った相手が未成年だったことを謳うものもあった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9061bbc3da1b8558964dc40a12a7dd1e135ea4dd