【甘口辛口】全国の自治体も「少年議会」の導入を検討してはどうか - サンスポ
https://www.sanspo.com/article/20220624-AFN2Y6LJ7NNNXDQ44AGUOH4TSE/
■６月２４日 ７月１０日の投開票に向け、火ぶたを切った参院選。それよりひと足早く、山形県の小さな町で今月１９日、町内に在住・在学する中高生の間から、今年度の「町長」１人と「議員」１０人が選挙で誕生した。人口約１万３０００人の遊佐町（ゆざまち）が、独自の予算で運営する「少年議会」の面々だ。
新「町長」は町内在住の私立高校３年男子、１７歳。昨年度から２期連続の就任で「新しいことに積極的に挑戦したい」と頼もしい。２８日に第１回の議会を開催。２カ月の政策立案期間を経て、本物の町長や議員の助言も受け年度ごとの予算４５万円を町のために使うことになる。
「少年議会」の過去の実績は、暗い道の街路灯設置やゆるキャラ作り、音楽イベントの開催など本格的。もともとは少子高齢化が進み危機感を募らせた同町が２００３年、英国の同様の議会にヒントを得て創立。若い世代が地域社会の一員であることを自覚してもらおうと考えたのがきっかけという。
「少年議会」の前町長は３期連続で務めた現女子大生。その姿は先週のＮＨＫ「クローズアップ現代」でも紹介されたので、見た方も多いに違いない。その中でも触れていたが、山形県は昨年まで３回連続で国政選挙の投票率が６０％台を記録し、いずれも全国１位となった。
その背景には「少年議会」の活動に刺激を受け、普段から政治に関心を持つ裾野が県内で広がっている。そんな気がしてならない。ちなみに、昨年１０月の衆院選で１８歳の投票率に限ってみても、全国が５０％そこそこだったのに対し遊佐町は６３・５３％だった。参院選は特に投票率の長期低迷が続く。全国の自治体も「少年議会」の導入を検討してはどうか。（森岡真一郎）
