「油のせいでやめるようなもん」 相次ぐ値上げ 松山市の天ぷら店は“閉店”決断【愛媛】
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小麦、缶詰、調味料、菓子、さまざまな商品で値上げが相次ぎ、消費者にとって厳しい状況が続いています。

この値上げの波、いつ収まるのでしょうか。

正本健太キャスター:
「10円、100円単位で値上がりしている現状です。やはり飲食店の皆さん、街の皆さんは受け止め、苦しいようです」

松山市内で:
「ガス代と水道代ですかね。結構上がってるよね」
「そうね、どんどん上がりますね。値上がりすると、ちょっと家計痛いなって思います」
「(家計が)2〜3万上がったように思います。だってお弁当とか使うし。洗剤とかも高かったと思うし」

居酒屋のスタッフ:
「ポテトは値上がりしました」
「納品する商品も『これが値上がりしました』とかいう報告は結構受けますね」

原材料費の高騰やガソリン高に伴う物流コストのアップなどで商品値上げの動きが止まりません。

松山市の天ぷら店です。

店の自慢は揚げたてをその場で提供するスタイル。

一番人気はプリプリのエビと大ぶりな豚肉など7種類が入った980円の天ぷら定食です。

利用客:
「なかなか目の前で天ぷら揚げて出してくれるっていうのを、松山ではそんなになかったんで。『最後』なんで味を楽しもうと思いまして」

約5年半続いた天ぷら店ですが、実は6月26日の日曜日、店をたたみます。

博多天ぷら すぎや・杉本茂代表:
「これ(=油)のせいで(店を)やめるようなもんです。お客さんの数が復活しても油の価格は下がらないだろうなと思うと、やはり先がないかなと思ってやめることを決断したんですけど」

コロナ禍で遠のいた客足がようやく戻り始めたところに、食用油の急激な値上げが店の経営を襲いました。

博多天ぷら すぎや・杉本茂代表:
「1缶ですね。この1缶で何百円単位で上がるんですよ。今回600円とか700円上がるとか言われてるんで」

国の調査によりますと、なたね油の平均小売価格は去年の6月以降上昇傾向が続いていて、この1年で1キロ当たり100円あまり値上がりしました。

この店でも、3年前は一缶18リットルの価格が3500円でしたが、今や2倍の7000円を超える高値です。

博多天ぷら すぎや・杉本茂代表:
「油の高騰が一番。もう2倍以上になったんで、その分高くなったから値段に反映しづらくって」

家族経営で何とか切り盛りしてきましたが、1000円を切る価格で提供してきた人気の天ぷら定食もほぼ利益が出なくなり、ついに苦渋の決断をしました。

利用客:
「あんまり外食しないんですけど、ここのはとってもおいしいので。すごいがっかりです」
「正直言うとね、値上げしてでもやってほしかった」

博多天ぷら すぎや・杉本茂代表:
「お酒とか出させてもらって(それで)利益が上がるので、今お客さんが戻ってこられては来ていますけど、ほとんどお酒を飲まない。なかなか元のように(コロナ前の)2年半前のように戻るのは厳しいだろうなと思ってますね」

収まる気配の見えない物価高騰の波。

飲食店の経営にも重くのしかかります。