月の砂と3匹のゴキブリを返して! NASAがオークション会社に異例の要請

2022年06月24日 08:29

社会
月の砂と3匹のゴキブリを返して! NASAがオークション会社に異例の要請
オークションに出品されていたアポロ11号が持ち帰った「月の砂」(AP) Photo By AP

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 米マサチューセッツ州ボストンのRRオークションが出品していたアポロ11号関連のアイテムに対し、米航空宇宙局(NASA)が“待った”をかけた。
 AP通信によれば、出品されていたのは1969年にアポロ11号が月面から持ち帰った月の砂(40ミリグラム)で、当時は細菌などによって生物に与える影響を調べるためにネズミや魚、ゴキブリといった動物に食べさせる実験を行っていた。NASAはこれをミネソタ大の昆虫学者、マリオン・ブルックスさんに提供。しかし「月の砂は生物に何の影響も与えない」と結論づけたブルックスさんが2007年に亡くなると、その娘が2010年にゴキブリ3匹の死骸と月の砂をオークションに出品していた。

 今回は別の委託者による出品で「最初の売買については知らなかった」とするNASAは今月15日付けの書簡でRRオークションに対して「アポロ計画によって採取したサンプルはすべてNASAに帰属するのであって個人のものではない。使用目的も研究のみで、個人の鑑賞用でもオークション用の品でもない」と事実上の返還を求めた形。22日の書簡では「現在の所有者に対してNASAに返還するように働きかけてほしい」と訴えた。

https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/06/24/kiji/20220624s00042000187000c.html