日本人500万人が悩む「便失禁」…医師が教える「実際に効果があった7つの改善法」とは
https://bunshun.jp/articles/-/50221

 快食・快便は健康のバロメーターだが、自分で排便をコントロールできなくなる病気がある。それが「便失禁」だ。医学的には「無意識または自分の意思に反して肛門から便がもれる状態」だと定義されている。

 便失禁に悩む人は全国に500万人はいるといわれ、決して珍しい病気ではない。しかしながら、恥ずかしさから人知れず悩み、外出を控えるなど、日常生活に支障を来す人も多い。

医師に取り合ってもらえず…

 50代前半から便失禁に悩んできたという原田貴美子さん(仮名・63歳)は「近所にある大腸肛門科を受診したのですが、まったく取り合ってもらえず、別のところも受診。けれども、しかたがないね、といわれて終わりました」と話す。

 それでも諦めきれなかった原田さんはネットで病院を検索し、ようやく便失禁を専門に治療している医師に巡り会うことができた。

「そのとき、いろいろ検査をしたのですが、原因ははっきりしませんでした。とりあえず、便の固さを整える薬と下痢止めを処方されましたが症状が改善せず、保険適用になったばかりの仙骨神経刺激療法という手術を受けました。これはお尻にペースメーカーを植え込んで、仙骨神経に電気刺激を与えるというもので、失禁の回数は格段に少なくなりました」

 原田さんが病院を受診したのは約7年前のことだが、専門医はいまでも増えているとはいえない。そんな状況を受け、地方だけでなく、遠くは海外からも患者が訪れるという亀田京橋クリニック・直腸肛門外来の高橋知子先生に便失禁の原因と治療法についてお話を伺った。