https://news.yahoo.co.jp/articles/48716bde21fc30527f03adbf215fc5e8d0968274

『遊戯王OCG』約9年間も禁止されていた「魔導書の神判」が制限復帰へ!かつて、デュエリストを激震させた「征竜魔導」環境とは

コナミは、6月12日にカードゲーム『遊戯王OCG』のリミットレギュレーション(2022年7月1日改訂予定)を公開。これにより、とうとう「水晶機巧-ハリファイバー」が禁止となりました。
リンクモンスターの中でも、特に多くのデッキで使われてきたハリファイバー。発表当日にはTwitterのトレンドに入るなど、大きな話題になりました。
しかし「ハリファイバー禁止」というニュースの影で、ある1枚のカードが制限復帰を果たしました。
それが「魔導書の神判」(以下、「神判」)です。
『マスターデュエルから』遊戯王を始めた方は「何それ?」というカードでしょう。それも無理ありません。このカードが登場したのは2013年、しかもたった半年しか使えなかったのですから。
しかし当時を知るデュエリストならば、「神判」の復帰は、下手すれば「ハリファイバー禁止」より大きなインパクトを持っていたはず。今回はそんな「神判」を、2013年の遊戯王を思い返しつつ、紹介します。
◆激震を持って迎えられた「魔導書の神判」
「神判」は2013年2月16日に発売したパック「LORD OF THE TACHYON GALAXY」で登場しました。早速、その効果を見て見ましょう。
速攻魔法
このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、このカードの発動後に自分または相手が発動した魔法カードの枚数分まで、自分のデッキから「魔導書の神判」以外の「魔導書」と名のついた魔法カードを手札に加える。その後、この効果で手札に加えたカードの数以下のレベルを持つ魔法使い族モンスター1体をデッキから特殊召喚できる。「魔導書の神判」は1ターンに1枚しか発動できない。
筆者は以前、シンクロモンスターの「フルール・ド・バロネス」を解説した際、「一切合財強いことしか書いてない」「文句なしの化け物カード」と書きました。『マスターデュエル』をプレイ済みの方なら、この点は納得していただけると思います。
が、「神判」の内包しているカードパワーは、下手すれば「バロネス」すら比較になりません。
「神判」は簡単にいうと、魔法カードを使うほど「魔導書を補充できる効果」と「魔法使い族モンスターをデッキから特殊召喚できる効果」を持っています。正直、片方だけでも十分禁止レベルの強さです。
◆アド取り能力だけならば歴代最高峰
遊戯王をしている人なら、「アドバンテージ」という言葉を耳にした事があるでしょう。「自分に有利なように盤面を動かす行為」とでも言うべき概念です。
例えば、今回の制限改定で制限となった「イーバ」は、墓地に送られた時、フィールドか墓地から天使族・光属性モンスターを除外して、レベル2以下の同モンスターを手札に加えます。
遊戯王では、これを「手札アド2枚」などと表します。またイーバ1枚の消費(厳密には墓地コストを払っていますが)で、2枚のカードを増やしたため、「1:2交換できた」などとも表現します。この交換比率はカードの強さを示した1つの指針ともいえ、「1:2交換」以上なら、まず“強い”カードといえます。
これを踏まえて「神判」を見てます。まず「神判」を発動した後、「増援」「死者蘇生」「サイクロン」という3枚の魔法カードを使ったとします。
すると、これだけでエンドフェイズに「魔導書」の魔法カードを3枚サーチし、レベル3以下の魔法使い族を特殊召喚できます。「神判」1枚で4枚のアドバンテージ、つまり「1:4交換」を実現したのです。
もちろん「増援」や「死者蘇生」などの効果は問題なく使えます。そのため全体的なアドバンテージはそれ以上といえます。
さらに2013年は「ブラック・ホール」「激流葬」などの全体破壊カードが“状況によって”、“1枚だけで”、“モンスターを複数破壊できる”ので、規制を受けているような時代でした。

◆登場と同時に「魔導」が一瞬で環境に
遊戯王において、手札と場の充実度は基本的に反比例の関係にあります。特に2013年は、今ほど強力なカードは少なく、その傾向が顕著でした。