立憲民主党の異色候補・要友紀子氏 〝差別横行〟性産業への理解求める
性産業を見下す国を変えたい! 間近に控えた参院選(22日公示、7月10日投開票)に異色候補が出馬する。立憲民主党から比例代表で公認された要友紀子氏(46)は、セックスワーカーの支援に長年取り組んできた。「性を語れる政治家がいない。私が性風俗の現場と政治をつなぐ架け橋になりたい」と当事者の声を国政に伝えると訴えている。
要氏は1999年からセックスワーカーの支援に取り組んできた。「SWASH」という団体を立ち上げ、性産業で働く人たちの支援や人権擁護活動を行ってきた。
性産業を取り巻く状況は厳しい。一部では「性産業をなくせ」という意見が出てくるほどだ。
「セックスってなくならないんですよね。何の目的でセックスするかは人それぞれ。どんな動機付けでセックスするかを取り締まることはできないですよ。『性産業をなくせ』っていう発想が信じられない」
性産業をなくそうという議論の背景には差別意識があるという。「性産業をなくそうという人たちは、セックスワーカーを差別している気はなくて、むしろ『助けたい』『救いたい』って思っている。でも、それが差別なんですよね。セックスワーカー一人ひとりに性産業が嫌かどうかを確認したわけでもないのに、彼女たちを丸ごと“救う人たち”にしてる」と違和感を指摘した。
政治家になって何をしたいのか? 「ニュージーランドには売春改善法というのがあって、それは売春を安全で健康なものにしようというものです。風俗店オーナーに課すガイドライン的な内容で、性感染症の知識などセクシュアルヘルスの研修を義務付けている。そういう法律があることが理想」と話す。
また、「今、行われているような『野放しにするか、法律で禁止するか』っていう極端な二者択一はよくない。セックスはなくせない以上、性産業もなくならないので、ルールの範囲内ならいいですよと認めていくことが望ましい」と労働環境をよくしていくべきだとした。
これまで政治の場で性産業が語られることは多くはなかった。「700人も国会議員がいるけど現場を知らないから、性の問題について語れる人がいない。私は現場と政治の架け橋になれる。そういうのが1人いるだけでだいぶ違うと思う」
ギリギリの公認発表となったため、いまは準備に忙しい。
「演説ではAV女優とか風俗嬢を呼んで決起集会のようにやりたいですね。あと全国の繁華街を回ります。もし当選したら、風俗嬢とかセックスワーカーを秘書にして、彼女たちのセカンドキャリアも考えていきたいです」
政策ではほかに、性風俗店が防災対策として改築等をできるようにすること、事件の被害者になった性風俗店従業員の氏名を非公表にすることなどを掲げている。性産業政策に当事者の声が反映されるようになるのか、注目だ。
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