千葉県君津市の東日本製鉄所君津地区から、生産工程で使用する脱硫液が近くの小糸川に流出した問題で、
日本製鉄は二十四日、水質検査の結果、毒物の「シアン」を検出したと発表した。
県は「安全を確認するまで、事業所周辺の水路と小糸川の合流部付近の水や釣った魚を口に入れないで」と呼びかけている。
(加藤豊大)
検査は流出から三日後の二十一日から四日間実施。
二十一、二十二日の両日、小糸川につながる製鉄所敷地内の排水口付近で、環境基準値を超える
一リットル当たり〇・三~〇・六ミリのシアンが検出された。
同社と県水質保全課によると、シアンは大量に人体に入った場合、死に至る危険な物質。
ただ、今回の検出量では、ただちに健康被害が出る可能性は高くないという。
このほか、脱硫液の主成分のチオシアン酸アンモニウムなどのアンモニアが、環境基準値の一・六倍検出された。
健康への影響は低いとみられる。
同課も周辺の小糸川で水質検査をしており、近く結果を県ホームページ(HP)で公表する。
脱硫液は十八日午後七時ごろ、何らかの原因でタンクから一定量が排水溝を通じて漏れた。
川は二日間ほどチオシアン酸アンモニウムの影響で赤く染まり、付近で魚が大量に死んだ。
https://news.goo.ne.jp/article/tokyo/nation/tokyo-185756.html