ガンダム作品として大傑作『ククルス・ドアンの島』 近作でも群を抜くアクションと人情劇

 長編映画化の報せを聞いた時は驚いた。『機動戦士ガンダム』第15話「ククルス・ドアンの島」は物語の本筋に絡まない、1話完結のサブプロットであり、1年間に渡ってシリーズを続けなくてはならないTVアニメにおける所謂“捨て回”だった。
外注された作画の仕上がりは、その後「ククルス・ドアンの島」=作画崩壊と半ばネタ化し、特段ガンダムファンがこぞって語るようなエピソードではない。しかし、そんなサブプロットにこそ“刺さる”話が多いのもまた『ガンダム』である。
無人島に降り立ったアムロは、そこで素手で闘う1機のザクと遭遇する。パイロットの名はククルス・ドアン。ジオン軍の脱走兵である彼は連邦、ジオンを問わず、通りかかる者を撃退していた。
彼は自らが戦火に追いやってしまった子どもたちを引き取り、この島で一緒に暮らしていたのだ。やがて共に危機を乗り越えたアムロは「あなたに遺った戦争の匂いを消します」とザクを大海に放り投げる……。
それは戦後間もない1979年だからこそ描き得た、戦争が個人に課す代償の物語だった。一部のファンはこれを強く支持したのである。

(以下ソース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/83d43d2c44f5e714fd6197cd558eff90e115d861