週刊文春オンラインが、ドミノ・ピザの「デリバリーでLサイズ1枚を買うとMサイズ2枚が無料でついてくる」 現場が大混乱に陥っていると報じた(1)。このニュースがYahoo!トピックスでも報じられている(2)。筆者もオーサーコメントを書いた(3)。
https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20220628-00302982
ごみ清掃員の方によれば、この類のピザがごみとして捨てられている現場を見て、このような売り方に疑問を抱いたとのこと。
お笑い芸人でごみ清掃員の、マシンガンズ滝沢秀一さんは、ごみ捨て現場にさまざまな食べ物が捨てられている現場を、かつて取材で語ってくれた(4)。クリスマスの時期にはホール(丸型)のクリスマスケーキ、おせち料理、メロン丸ごと3個、米びつの中に米が入った状態で捨てられているなど、現場は壮絶だ。ピザがごみ捨て場に捨てられていた話も滝沢さんに教えていただいた。
小麦自給率15%で膨大なコストかけて輸入して廃棄し、従業員が疲弊する愚かさ
日本の小麦の自給率は15%だ(11)。米国・カナダ・オーストラリアから輸入してまかなっている。莫大なコストとエネルギーをかけて運んできた小麦。それを使って、食べきれもしないピザを過剰生産し、結局はごみ捨て場に捨てている。
その「捨てるピザ」を作るために疲弊し、「死んじゃいそう」と言っているデリバリーピザの従業員。こんなことをして誰が幸せになるのだろう。何が持続可能なのだろう。これで「SDGs」(持続可能な開発目標)をアピールしていたら鼻で笑われる。ピザだけじゃない、すべての食品にいえることだ。日本は自国民が食べる食料を自給できていないのだから。
おかしいと思うことには「おかしい」と声をあげないと、毎日の食料すら手に入らない世の中になってしまうだろう。金さえあればいつでも食料が手に入るわけではない。他国にいい条件を出されて日本が買い負ける可能性もあり得る。食料こそ命の綱であるはずなのだ。