5Gの普及によって超高速・超低遅延・多数同時接続の通信が期待されるなか、電波同士の干渉や、通信エリアからの電波の漏洩を抑えるため特定の周波数の電波のみを選択的に吸収したいというニーズが高まっている。
こうした電波の干渉や漏洩の防止に用いられる電波吸収シートは重量やサイズ等の制約により設置箇所が限られてしまうという課題があった。また周囲の景観に調和可能な意匠性に関するニーズも高まっていた。
DNPは5G周波数帯であるミリ波帯とSub6帯で、特定の周波数の電波のみを選択的に吸収する「電波吸収シート」を開発。
材料や設計の工夫により、従来品と比べて大幅な薄型化・軽量化を達成するとともに、DNP独自のEBコーティング技術を活用することによって、屋外でも利用可能な耐候性や耐傷性を達成した。
意匠を施すことにより、特に屋内で求められる高い環境調和性を有している。
1.5G周波数帯の電波を選択的に吸収
5Gの帯域であるミリ波帯とSub6帯において、特定の周波数の電波に対して、-15dB以下の吸収量を有する製品。
顧客企業や自治体等の要望や用途に応じて、吸収する電波の周波数帯を調整した製品を開発・提供することができる。
2.薄型・軽量
従来のシートと比較して、非常に薄く、軽量な製品。ミリ波帯対応シートは厚さ0.3mm、重さ0.5kg/m2、Sub6帯対応シートは厚さ1.6mm、重さ3kg/m2。
薄型で軽量であるため、多様な場所に簡便に施工・設置することができる。
3.環境調和性
木目調をはじめ、さまざまな意匠が施されたDNP製の建具用シート等と併用することで、空間デザインを損なうことなく設置できる。
DNPは「電波吸収シート」の実証実験を進め、2023年までに製品化を目指す。
また、「フィルム型アンテナ」や「リフレクトアレイ」等の5G向け電波制御部材、DNPが保有する建装材との組合せにより、景観を損なわず最適な5G通信用の電波環境を構築できるソリューションを提供していく。
さらに、5Gの普及を見据え、リアルとバーチャルの両方の空間で生活者に体験価値を提供する「XRコミュニケーション事業」や、4K・8Kの高精細な映像の配信、安全な自動運転や遠隔医療等の事業にも、引き続き取り組んでいく。
https://robotstart.info/wp-content/uploads/2022/06/main-23.jpg
https://robotstart.info/2022/06/28/5g-radio-wave-absorption-sheet.html