アパグループ創業者が長男に託した経営のバトン
元谷外志雄氏が会長、長男の一志氏はCEOに
田邉 佳介 : 東洋経済 記者
2022/06/29 9:30
2022年4月、ホテル業界大手の「アパホテル」を展開するアパグループは突然の代替わりを迎えた。創業者の元谷外志雄氏が会長となり、長男の元谷一志氏が社長兼CEOに就任した。
一志社長は管理部門を統括してきた人物だ。6月にはこれまでのトップダウン経営から組織型経営への移行を宣言し、2027年に経常利益450億円の中期目標を掲げた。急成長してきたグループをどう牽引するのか。一志社長を直撃した。
――2021年に創業50周年の節目を迎えたことや、コロナ収束が見えてきたことで、4月にトップ交代となりました。以前から世代交代の話はされていたのでしょうか。
実は、内示を受けたのは3月15日でかなり急だった。それまでまったく兆候はなく、15日朝に連絡を受けて「4月1日から新体制でいく。代替わりだ」と言われたんです。前日が会長とアパホテル社長(元谷芙美子氏)の結婚記念日なので、その夜に話し合ったのではないかと。
会長は生涯現役だと思っていた。情熱がすごく、バイタリティもある。走り続けて、いつか倒れたときに私がバトンを奪っていく、そんなリレーになると思っていた。
私は元々創業家に生まれ、トップ就任は既定路線として言われていたので準備は欠かさずしてきたつもりだが、このタイミングでの交代で、綺麗なバトンリレーになるとは想像がつかなかった。
既存ホテルを支持し続けてもらう努力
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