断言しよう。マラソンは体に悪い。

どうやらマラソンに限らず、アスリートにとって「鎮痛薬の予防投与」は常識らしく、本番だけでなく、練習中から飲んだりもするらしい。欧米人は、運動後の筋肉痛を和らげるためにNSAIDsを飲むという話は聞いたことがあったが、運動前に飲むというのは初耳だった。

NSAIDsの中でも、日本のランナーに人気なのはロキソプロフェン(商品名ロキソニン他)。走る前に常用量を服用するのが一般的だが、お気に入りのNSAIDsをランニングポーチに入れて走り、痛くなったらその都度飲むという強者も。「一番つらいのは35~37kmだから、30kmを過ぎたところで飲むのがベスト」などと、薬物動態までをも考慮したスケジューリングをしているランナーもいた。

気になるのは、マラソンなどという循環器や運動器が酷使された状況でNSAIDsを服用して体に支障はないのか、という点。さすがに、このような痛み止めの使い方について、ネット上で注意を喚起している医療関係者は少なくない。例えば、毎日新聞 医療プレミアの記事「安易な服用は危険!マラソン中の痛み止め」では、医師がBMJの論文を引用して警告している。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201711/553504.html