au通信障害、行政処分の可能性も 金子総務相「大変遺憾」

 通信大手KDDI(au)で2日未明に発生した全国規模の通信障害を巡り、金子恭之総務相は3日、東京都内で記者団に「国民生活や社会経済の重要インフラである携帯電話サービスで多くの方々が長時間、利用困難となっているのは大変遺憾」と述べた。

 今回の通信障害では、119番などの緊急通報にも支障が出たため、総務省消防庁や自治体が固定電話や他社の携帯を利用するよう呼びかけるなど混乱が広がった。金子総務相は「消防、救急通報に支障が出たことについて、総務省として事態を深刻に受け止めている」として、電気通信事業法など関係法令に基づき「KDDIにしかるべき対応をとる」と語った。

 電気通信事業法では、119番など緊急通報を扱う通信サービスで3万人以上に1時間以上の影響が出る場合を「重大な事故」と位置づけている。KDDIの携帯電話サービスのauと「UQモバイル」「povo(ポヴォ)」の2022年3月時点の個人契約数は計3097万件に上っており、KDDIは今回の通信障害で行政処分を受ける可能性が高い。

 KDDIの通信障害は2日午前1時35分ごろ発生。KDDIは復旧を急いでいるが、全面復旧は3日午後にずれ込む公算が大きい。金子総務相は、通信障害の復旧が遅れるなか、岸田文雄首相の指示を受けて、2日夜から総務省幹部をKDDI本社に派遣し、通信障害収束への対応にあたったと明らかにした。
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