長きにわたって日本政界を支配し続けた安倍晋三、菅義偉両元首相。ふたりの権力の源泉となったのが、各省庁の要職から首相官邸に出向し、首相秘書官や補佐官、内閣審議官などを務めたお気に入りのエリート官僚たち……いわゆる「官邸官僚」だ。

 彼らは安倍・菅政権の末期、露見したスキャンダルで相次いで激しい追及を受け、一転「失脚官僚」となった、はずだった。ところがここにきて、相次いで復権を果たしている。

 たとえばNTTは6月24日付で、2018年に注目を集めた「加計学園の獣医学部新設問題」をめぐり失脚した、元経済産業審議官の柳瀬唯夫氏を執行役員副社長に昇格させる人事を発表した。

 さらに、NTTと関係の深いネット接続サービス業者「インターネット・イニシアティブ(IIJ)」は6月28日付で、菅政権時代にNTTなどから違法な接待を受けたとして総務審議官の座を追われた、谷脇康彦氏を取締役副社長に就任させた。

 経産省、総務省のナンバー2である審議官の重責を負いながら、国民の信頼を損ねた柳瀬、谷脇両氏。それがいずれも、NTTグループが受け皿となって天下りを果たすという異例の事態が起こっているのだ。

(中略)

 安倍氏は周囲に『私の首相秘書官には出世してもらわないとね』とよく話していたほど身内びいきで有名ですし、菅氏も官房長官時代から柳瀬氏を重用していた。そんな柳瀬氏の『受け皿』をいち早く提供したことで、NTTと澤田さんが感謝されたことは言うまでもないでしょう。

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