動物の老化について考える上では、「死は避けられないかもしれないが、老化については必ずしもそうではないかもしれない」という点を
理解する必要があります。老化とは生物が年齢を重ねるにつれて弱体化することであり、たとえば人間では加齢と共に免疫系や骨が衰えていき、
年齢を重ねるごとに統計的な死亡率が高くなるとのこと。アメリカ社会保障局の調査によると、
アメリカに住む50歳の男性が翌年に死亡する確率は0.48%ですが、これが80歳になると5.6%に、100歳になると34.8%に増加します。
つまり、人間は加齢によって老化し、死亡する可能性が高くなるというわけです。
その一方で、自然界の中でもカメは非常に長生きであることが知られており、成熟したカメは壊れた細胞を殺す能力や
DNA損傷への耐性に優れているとの研究結果も報告されています。そこで、当時南デンマーク大学に在籍していた生物学者のRita de Silva氏が
率いる研究チームは、動物園や水族館などのさまざまな動物種の飼育データを蓄積するSpecies360を用いて、
52種のカメについて年齢と死亡率について分析しました。
その結果、分析した種のうちギリシャリクガメやアルダブラゾウガメを含む75%において、老化率がゼロまたはほとんど無視できる程度であることが判明。
つまり、多くのカメは年齢と共に死亡率が高くならず、平均年齢が高くなりやすいことが示されたというわけです
https://gigazine.net/news/20220630-turtles-slow-rates-aging/