米国の株価はいつごろ回復するのか…過去の平均は1年弱【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】
https://news.yahoo.co.jp/articles/33424f5540c803ea2ceeda8699bbae37dc8009ec
歴史的なインフレが米国を襲っている。公表される前年同月比の高い数値は、いつも「何十年ぶり」というただし書きがつくほどだ。
これに対し、米FRBは次々と利上げの実施を打ち出している。
ご存じのように、そのたびに株式市場は大幅下落を繰り返しているのだが、不思議なのは、急ピッチな利上げにもかかわらず、なかなかインフレが鎮まらないことだ。
その理由はたぶん3つだろう。@コロナ沈静化に伴う需要の急回復Aウクライナ危機によるエネルギー・穀物の高騰B中国の都市封鎖による供給縮小。
これらが重なりあったインフレ圧力が、FRBの利上げをせせら笑っている感じだ。
株価にとっては、大敵の利上げに加え、やっかいな副作用も出てきた。
スタグフレーションだ。今回の急激な利上げが景気を冷やしていくことは間違いないだろうが、かといって、先の3つの理由からインフレは止まりそうにない。
つまり景気後退下の物価高というスタグフレーションに突入するのは時間の問題だ。
すでに金融市場ではその警戒感も強まっている。だから米国の株価がまったくさえないのも仕方ない。
年初をピークに大崩れしている米株式市場は、6月13日にS&P500指数は3749ポイントまで暴落。
1月3日の最高値4796ポイントからの下落率は2割(22%)に達した、これをもって米株式市場は「弱気相場入り」したともっぱらだ。
では、今回の弱気相場はいつまで続くのだろうか。米大手銀行バンク・オブ・アメリカによると、過去140年間(!)で米国株式市場はS&P500指数を基準にして19回の弱気相場(高値から20%以上の下落)があったそうだ。
平均の下落率は37.3%、ピークから底打ちまでの平均日数は289日だという。
傷口が大きかったITバブル崩壊は、ピークが2000年3月、大底は02年10月、下落率は実に49.1%だった。
今回の弱気相場は、そうした金融危機とは本質が違うから、2年も続くことはないが、過去の事例から考えると、半年程度で底打ちというのも考えにくい。
いましばらく続くことになり、日本株も米国株の低迷により、当分は上値が重い展開になることを覚悟すべきだろう。(丸)