残業時間が増えると給料が下がる評価システム

 さらにAさんはこういった残業時間には含まれていない「サービス残業」が何十時間とあるという。それにはココスの評価制度が関係しているようだ。

「ココスでは36協定に違反する45時間以上残業が4か月以上、もしくは単月で75時間以上の残業をすると給料が下がってしまいます。
残業代は付くのですが、基本給や賞与が下がってしまいます。年収計算で少なくとも25万円、50万円以上年収が下がることもあります。
そのため、違反になってしまう人は残業時間を少なく申請したり、出勤したのに公休日として申請したりしているんです」

 Aさんが見せてくれた給与評価のサンプルの左下には減点対象の項目がある。
その中に「時間外労働75時間超え1回、又は36協定違反4か月以上」とあり、残業が増えると給与評価が下がってしまうことが分かる。

 36協定とは労働基準法に定められた法定労働時間(一日8時間、週40時間の労働時間)以上の労働を従業員にさせる時に雇用者と従業員が締結する労使協定である。
本来であれば、雇用者が不当に長時間労働を従業員に強いないために存在するものであるが、ココスでは従業員がサービス残業しなければならない評価制度に利用されているというのだ。

http://imgur.com/q2tRwNB.jpg