「岡本太郎が若き日にパリで描いた絵画発見」正式に発表

日本を代表する芸術家、岡本太郎が若き日にパリで描いたとみられ、これまで存在を知られていなかった3点の絵画が発見されたと岡本太郎記念館が正式に発表しました。

3点の絵画はパリ在住のフランス人男性が保管していたもので、このうちの1点に「岡本太郎」と読める署名があったことなどから詳しい調査が進められました。

8日の記者会見で、岡本太郎記念館の平野暁臣館長は、筆跡鑑定や絵の具の科学的な分析などを基に専門家が協議した結果、太郎本人が描いた可能性が極めて高いと発表しました。

3点はいずれも太郎の最初の画集「OKAMOTO」に掲載された初期の作品と似ているものの線の描き方などはつたなく、20代の初めにパリで描かれた習作ではないかということです。

パリ時代に太郎が描いた絵画は日本に持ち帰られたあと、太平洋戦争中の空襲ですべて焼失したと考えられ、今回の3点は存在を知られていませんでした。

記念館の平野館長は「自分の表現を確立するために格闘した記録で、岡本太郎の原点だ」と指摘しました。

また、記者会見に同席した明治学院大学の山下裕二教授は「パリにいたときに描いた初期の作品と構図などが似ている。岡本太郎の作品に間違いないと確信している」と話しました。

発見された3点は、今月23日から大阪で開かれる展覧会「岡本太郎」で公開されます。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220708/k10013708501000.html

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