2022年7月11日 21時37分

 安倍晋三・元首相が銃撃されて死亡した事件を受け、宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の田中富広会長らが11日、東京都内で記者会見を開いた。

 安倍氏とのつながりについて「友好団体が主催する行事に安倍氏がメッセージを送ったことはある」とし、「(安倍氏が)会員や顧問になられたことはない」と直接的な関係を否定した。

 逮捕された山上徹也容疑者は信者ではないと説明した。県警の調べに山上容疑者が「母親が信者で、多額の献金をしていた」と供述したとされることに対し、田中会長は「私たちへの恨みから安倍氏殺害に至るのは大きな距離があり、困惑している」と述べた。

 田中会長の説明によると、山上容疑者の母親が入信したのは1998年頃。同連合に献金し、2002年頃に経済的に破綻した。09年頃から17年頃までは行事に参加しなかったが、2、3年前から再び接点を持ち、2か月前にも行事に参加していたという。

 関係者によると、山上容疑者は奈良市内の一戸建て住宅で母親や妹、祖父らと同居していた。母親が入信した当時、山上容疑者は高校生で、母親はまもなくして自宅を売却し、02年に破産宣告を受けていた。時期的に多額の献金が原因だった可能性がある。

 田中会長は、母親の詳しい献金状況は「事件の動機にかかわる領域なので今日は触れない。献金額も調べきれていない」と説明した。母親が破産していたことについては「事件後に把握した」と話した。

 旧統一教会は1980年代以降、高額な印鑑などを売りつける「霊感商法」や、見知らぬ人同士による「合同結婚式」を巡るトラブルが社会問題になった。

 田中会長は「2009年以降はコンプライアンスの徹底を進めている。母親が破綻した後に高額な献金を要求したことはない」と強調した。

ソース https://news.livedoor.com/lite/article_detail/22486274/