山上容疑者 火薬も自作の可能性 1週間ほど前に「爆発音」

安倍晋三元首相が奈良市で参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、元海上自衛隊員の無職山上徹也容疑者(41)が、銃だけでなく火薬も自作した疑いが12日、浮上した。捜査関係者によると、製造方法をインターネットで調べた形跡があったという。

 山上容疑者の自宅マンションには弾丸や薬きょう代わりのプラスチック製容器が多数あり、これらをネットで購入した際のものとみられる配達伝票もあった。これまでにも容疑者の車から火薬を乾かすために使ったとみられるトレーが見つかっている。県警は山上容疑者のパソコンや携帯を押収して検索履歴などを確認。火薬の販売は規制が厳しいため、ネットでの情報を参考に材料を集め、製造した可能性が高いとみている。

 この日、マンションの近隣住民は本紙取材に「1年ほど前“キュルキュル”と工具で作業するような音がしばらく続く時期があった」と証言。管理人が「騒音に気を付けましょう」と注意を促すチラシを配布したこともあったという。別の住人は「1週間ほど前に真夜中にパーンという爆発音があった。マンションの建物内から聞こえたように思った」と話した。

 山上容疑者はYouTube動画を参考にして昨年春から今春にかけて自作の銃を完成させたと供述。県警では1年以上かけて襲撃計画を練り、銃や火薬の製造、試射を繰り返していたとみて慎重に捜査を進めている。

 山上容疑者は事件前日に安倍氏が演説した岡山市を訪れたことも明らかになっているが、会場には犯行に使用したものと別の銃を持参したと供述していることも新たに判明した。奈良の現場では近距離での命中率と殺傷能力が高い散弾銃のような銃を使用しており、県警では選んだ経緯を詳しく調べている。


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