人類の生活は農業の登場によって大きく変化したといわれており、「農業は人類のみが行う特別なもの」と考えている人も多いかもしれませんが、近年では一部のアリが農業を行っていることが判明しています。生物学全般の学術誌・Current Biologyに掲載された新たな論文では、人間以外で初めて「農業を実践する哺乳類」が見つかったと報告されています。
アメリカ大陸に生息するホリネズミの一種であるミナミホリネズミ(Geomys pinetis)は、強力な前足と爪を使って地中に最大160mにも及ぶ長いトンネルを掘り、一生のほとんどを地中のトンネルで過ごしています。時には巣穴の近くに生えている植物の葉を食べることもあるものの、主食は地中に伸びている植物の根や根茎であり、地上の作物を傷つけることはほとんどないそうです。
セルデン氏は、「ミナミホリネズミは排せつ物を肥料として、根が成長するのに最適な環境を提供しているのです」とコメントし、ミナミホリネズミは農業の一形態を実践していると主張しています。
https://gigazine.net/news/20220713-first-example-mammal-farming-food/