台湾向けモモ 防虫せず輸出 報告書偽造、貿易に影響も 容疑の業者ら4人逮捕
2022/7/13 11:30

山形県産のモモを台湾へ輸出する際、病害虫の防除措置をしたように偽った書類を植物防疫所に提出したとして、大阪府警生活環境課は13日、植物防疫法違反の疑いで、大阪市福島区野田の食料品輸出会社「日祥(にっしょう)」経営、朱清宏(チュチンホン)容疑者(57)=台湾籍=ら男女4人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

日本産のモモは台湾でも人気だが、台湾側は外来種の侵入を防ぐため、モモの輸入を巡って日本側に徹底した検疫を要求。平成22年には山梨県産のモモから害虫が見つかり、輸入を4カ月余り禁止したことがあった。今回の事件が発覚したことで再び輸入禁止に発展する可能性もある。

他に逮捕されたのは、山形県東根市の農産物販売会社「マルトウ青果」経営、今田(こんた)真容疑者(35)=同県河北町=と仲買業者役員の男、台湾籍の会社員の女。朱容疑者の自宅兼事務所には午前7時半ごろ、捜査員数人が訪れ、朱容疑者を逮捕した。

逮捕容疑は昨年秋ごろ、共謀し、山形県産のモモを台湾に輸出する際、マルトウ青果の梱包(こんぽう)施設で病害虫の防除措置などをしていないのに、措置を行ったと偽った報告書を神戸植物防疫所関西空港支所に提出したとしている。

捜査関係者によると、台湾側から注文を受けた朱容疑者らは、輸出用のモモが足りなかったため、防除されていない国内向けのモモを流用。その際、梱包施設経営の今田容疑者から教えてもらった技術員の氏名を報告書に記入していた。すでに台湾に輸出されたが、モモから害虫が見つかったとの報告はないという。

※略※

https://www.sankei.com/article/20220713-4GEHNNYDONMUDGWNKX7AOHVPFE/


日本産モモ 揺れる信頼 書類偽造、禁輸発展の恐れも
https://www.sankei.com/article/20220713-PZ2TK3E45RJVHLB7HF6GGWK2FE/