死者行方不明者63人を出した2014年の御嶽山噴火災害の裁判の判決です。噴火から8年。注目の裁判の判決は長野地裁松本支部で開かれました。「気象庁が噴火警戒レベルの引き上げを怠った」などとして遺族らが国と県に損害賠償を求めたのに対し、地裁松本支部は「直ちにレベルを引き上げる注意義務があったとは言えない」として原告の請求を棄却しました。判決を聞いた遺族からは「残念、悔しい」といった落胆の声が聞かれました。
13日午後、横断幕を手に地裁松本支部に入る遺族たち。噴火から今年9月で8年。63人もの犠牲は防げなかったのかを問う裁判が判決の日を迎えました。
2014年9月27日、御嶽山が噴火。死者・行方不明者63人という戦後最悪の火山災害となりました。
当時、気象庁の「噴火警戒レベル」は5段階で最低の「1・平常」でした。
2017年、遺族ら32人は、国と県に総額3億7600万円の損害賠償を求め提訴します。
最大の争点は「警戒レベルを据え置いた判断は妥当だったのか」。
原告側は9月10日と11日にレベル引き上げの基準となる「50回以上の火山性地震」があったほか、その後も「山体の膨張」を示す地殻変動が観測され、「気象庁は遅くとも25日にはレベル2に引き上げるべきだった」と主張。
これに対し被告の国側は「火山性地震の回数は目安の一つに過ぎず、総合的な判断でレベルを据え置いた。山体膨張を示すとされるデータも誤差の範囲」などとしました。
13日の判決で長野地方裁判所松本支部の山城司裁判長は、原告の請求を棄却しました。
1日50回以上とレベル引き上げの基準を超えた火山性地震については「『基準は目安で他の観測データも踏まえて総合的に判断する』としており、直ちにレベルを引き上げる注意義務を負っていたとは言えない」としました。
国の主張に沿った判断です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6def2705b3ef179c976cdca2f3cf6b442149e58