安倍首相がもう一人の祖父「安倍寛」のことを口にしない理由
https://www.news-postseven.com/archives/20200826_1589036.html

 晋三の父で外務大臣や自民党幹事長など要職を歴任した晋太郎の番記者を長く務めた筆者は、晋太郎時代から安倍家に仕えたベテラン秘書がこう嘆くのを聞いたことがある。
晋三が父の後継者として旧山口1区から衆院選に出馬した時のことだ。

「選挙区の古い後援者には岸さんより寛さんのほうが、はるかに人気があった。それなのに晋三君は岸さんのことばかり。
だから、本人に『あんたは岸のことばかりいうが、安倍家のおじいちゃんは寛さんだ。戦争中、東條英機に反対して非推薦を貫いた偉い人だ。もう少し寛さんのことも言ったらどうか』
と何度も伝えたのだが、頑として言おうとしないんだな」

 それどころか、晋三が祖父・寛の存在から目を背け続けた結果、現在、山口では寛の足跡を研究することさえ“タブー視”されるようになっているという。
地元の有力な郷土史家が匿名を条件に語ってくれた。

「安倍寛は東條英機に立ち向かった8人衆の1人で、山口の偉人としてもっと脚光を浴びてもいい人物です。
しかし、以前に朝日新聞系の出版物で寛が取り上げられ、それを読んだ安倍総理が怒ったという話が伝わって、県内では歴史に残る人物としては扱われていない。
研究者もいないし、地元のメディアも、首相への忖度でこの人物を取り上げるのはタブーになっている」

 同姓の祖父の歴史上の足跡が消されようとしているというのである。