安倍元首相急死と参院選自民大勝で…「日銀vsヘッジファンド」勝負の行方は？
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そこに目を付けた海外のヘッジファンドが日本国債の売りで大儲けしようと「国債のショート（売り）ポジション」を構築し、日銀との対決姿勢を強めている。
「円安で輸入物価が急騰するなどの弊害が強まる中、海外のヘッジファンドは日銀が早晩政策転換に追い込まれると読んでおり、金利上昇から日本国債の価格暴落にかけている。
英国を拠点とするブルーベイはその急先鋒だ」（市場関係者）という。その戦略はかつて通貨危機に乗じてポンド売りを仕掛けイングランド銀行に勝利したジョージ・ソロスのクォンタム・ファンドを彷彿とさせる。
ブルーベイは、2001年に英国で創業したファンドで、欧州最大級の債券運用のスペシャリストとして社債、ソブリン債、金利、通貨を利用して1200億ドル（約16兆円）を超える資金を運用している。
だが、ブルーベイなど海外のヘッジファンドが日銀に勝利するかどうかはわからない。「JGB（日本国債）は日本が金融危機に見舞われた1990年代後半から海外ヘッジファンドの注目点だった。
GDPを大きく上回る規模にまで膨張した日本国債はいつ爆発（価格が暴落）してもおかしくないというのがヘッジファンドの共通の見方だった。しかし、JGBのショート（空売り）を仕掛けた
ファンドの面々は、鉄板の強固さを持つJGBの前にことごとく屈してきた苦い歴史がある」（メガバンク幹部）ためだ。
岸田文雄首相は、参院選公示直前の9党党首討論で日銀の金融緩和政策について「今の状況を維持していく」と述べていた。安倍氏の急死でその主張に変化はあるのか。
ブルーベイははたしてソロスのように「日本銀行を潰した」ファンドとして歴史に名前を刻めるだろうか。
