九五年八月、『週刊文春』の記者だった筆者がソウルの本部教会の壁に「未婚の男女 募集」という垂れ幕を見たのは、合同結婚式のわずか一週間前だ。
大田市郊外の農村では、式に参加する三十四歳の青年に取材した。 〈「入信した動機は?」と尋ねると、いともあっさりとこんな言葉が返ってきた。
「統一教の牧師に、『信者になれば結婚できる』と言われたから」〉(九五年八月三十 一日号) 結婚相談所まがいの勧誘によって、信仰をもたないどころか、働かず、酒を飲み、暴 力を振るう、それまで嫁の来手のなかった男性が多数参加した。しかし相対者(結婚相 手)は再臨のメシアである文教祖によって選ばれるから、断わる権利などなかった。文教祖には、こんな発言もある。
「祝福を受けることはできないことを思えば感謝しなければならない。だから旦那さん が目玉がなくても、鼻がなくてもそれが問題ではない」韓国に嫁ぐことは、日本人女性信者にとって大きな意味をもつ。文教祖と同じ韓国人 男性との結婚は、何より名誉だ。加えて統一教会の教えでは「韓国はアダム国家、日本 はエバ国家」で、エバはアダムに奉仕しなければならない。「日帝三十六年の植民地支 配」に対する蹟罪も必要だ。
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強制的な合同結婚、多額の献金...旧統一教会「2世」信者らの苦しみ今も
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