薬学部急増、2025年度以降は新設認めず…
将来的な「薬剤師余り」に対応
7/19(火) 15:00

文部科学省は2025年度以降、原則として大学の6年制薬学部の
新設や定員増を認めない方針を固めた。将来的な薬剤師余りや、
近年の薬学部の急増による定員割れなどに対応する。

22日の有識者会議で、薬学部の新設・定員増の抑制案を示し、
今年度中の設置認可基準の改正を目指す。早ければ25年度から、
6年制薬学部の新設や定員増加は原則、できなくなる。

 厚生労働省によると、薬剤師の総数は45年には、病院や
薬局で必要な人数(33万〜40万人)を10万人程度、
上回るとみられる。薬剤師が過剰になると、就職難や待遇の
悪化などを招きかねない。

 「薬剤師余り」の背景には、近年の薬学部の急増がある。
医療の高度化などに伴い、薬剤師を養成する薬学部は06年度、
4年制から6年制になった。この前後から6年制薬学部の
新設が相次ぎ、06年度の66大学67学部から、21年度は
77大学79学部となった。このうち26大学には、薬学の
基礎を学ぶ4年制も併設しているが、薬剤師国家試験受験には原則、
6年制課程の履修が必要となる。

 医師や歯科医師、獣医師を養成する大学は原則、新設や定員増は
認められていない。薬学部は大学が自由に申請でき、法令に
適合すれば認可されてきた。

 6年制薬学部を持つ私大58校(60学部)の3割は、
入学定員充足率が80%以下にとどまる。また、6年で卒業し、
ストレートで国家試験に合格できる学生は私大では6割に満たない。
薬剤師には、医師らと連携し、患者への薬物療法や健康増進に
関わるなど専門性が期待されるが、薬学教育の質低下も指摘される。

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