銃による犠牲者は10年前から約4割増。なぜアメリカの銃規制は進まないのか
6月11日。また、アメリカで銃撃事件が起きた。
それは私の故郷であるシカゴでのことである。
NBCによると、シカゴでは週末だけで銃撃事件によって少なくとも6人が死亡、26人が負傷したという。
アメリカにおける銃の犠牲者は、2020年の時点で10年前と比べて43%増加している(米国疾病予防管理センター調べ)。
2020年の銃による死亡者は4万5222人で、前年比14%増、5年前と比較すると25%増えている。
とくに銃による殺人事件は近年、急激に増加して10年前から75%増、そして、自殺者も増加の傾向にあるという。
アメリカ全土でこうした悲劇が毎日のように発生し、増加傾向にあるにもかかわらず、銃規制は一向に進まない。
その理由を知るには、アメリカという国の成り立ちと文化を知る必要があるだろう。
自衛、独立、内戦、奴隷制度
1776年に独立を宣言し、アメリカはイギリスから独立した。
詳細は大きく省くが、独立以前、ヨーロッパから新天地を目指してアメリカへ移住した者たちが自衛や狩猟のために銃を使っていた。
また、奴隷貿易によって連れてこられた多くの黒人奴隷が存在した。この奴隷制度を維持するために銃が使われていたという。
イギリスの植民地下にあったアメリカではイギリス政府による税徴収の重圧に苦しめられ、反対運動が起きた。
これに端を発し、各地で地域の自衛をしていた民兵が結集し、イギリス軍に対抗、アメリカの独立に至るのである。
さらに、1861年から65年の南北戦争も経験した。
自衛、独立、内戦、奴隷制度といった背景が今のアメリカ人の意識を形成しているのではないかと私は思う。
事実、アメリカ人の自衛意識は高く、政府に対する不信感は未だ拭えない。
いかそ
https://www.huffingtonpost.jp/amp/entry/story_jp_62b26c25e4b06169ca9f41a4/