https://news.yahoo.co.jp/articles/01d8d5242762e97a0e79b71ac304956311f2263f

減少する犬猫殺処分 「不幸な命を増やさない」取り組み

県が保護した犬や猫のうち、殺処分された数は、7年連続で減少しています。
こちらをご覧ください。
2015年は711匹だったのが、2021年度は54匹と、10分の1以下になっています。
この背景には、人間の都合で殺される命を守ろうと、県やボランティアの取り組みがありました。

【橋爪リポーター】
「県が保護した犬や猫を新たな飼い主に譲渡するための施設です。これまで約1400匹の引き取り手が見つかり、犬や猫の殺処分減少に対して大きな役割を担っています」

武雄市にある県犬猫譲渡センター「いっしょけんね」。
捨てられたり、迷子になったりして保護された犬や猫を譲渡するための専門施設として2015年にオープンしました。
2021年度までに訪れた人は、1万8000人余りで、犬770匹、猫675匹の引き取り手が見つかりました。

【引き取りを決めた女性】
「一線置かれている保護犬を受け入れた方が犬のためになるし、子供のためにもなる。寄り添っていきたい」

保護される犬や猫の健康状態は様々です。
これまでだと殺処分の対象になるような病気にかかっていても、月2回の診察やワクチン接種などを行うことで、譲渡できるようサポートしています。

【県犬猫譲渡センター 中尾みずきさん】
「散歩の練習も毎日行っていて、もらわれていった後でも飼い主さんが苦労しないように、生活になじみやすくなるようにと毎日心がけている」

県によりますと、2015年度と2021年度を比べると、放し飼いの減少から保護した犬や猫は3分の1以下に減りました。
一方、元の飼い主に返還もしくは里親に譲渡した数は4割から6割に増加。
返還・譲渡率の向上が殺処分の減少につながっているということです。
一方、県は殺処分について“猫”が大きな課題と考えています。

【県生活衛生課 水野伸志さん】
「殺処分の大きな部分は飼い主のいない猫の産んだ子猫が多い。自活できない猫」「一頭一頭考えながら「これで良かったのかな」という気持ちももちろんあるのでいつも迷いながらというところ」

1度に4匹から、8匹の子供を産む繁殖力が強い猫。
2021年度、殺処分された猫は34匹で大半は育てるのに手のかかる離乳前の子猫でした。

【橋爪リポーター】
「殺処分から子猫たちを守るため“ミルクボランティア”という活動が広がっています」

猫など佐賀市大和町で開かれている猫の譲渡会。
この日集まったのは生後2・3カ月の猫31匹で、3割の猫は“ミルクボランティア”によって一命をとりとめました。

【ハッピーボイス 甲斐めぐみさん】
「5時間から6時間に1回ミルクをやらないといけないので、譲渡会に参加できるまで育てていただく方を“ミルクボランティア”として募集している。子猫の中でも乳飲み子のサポート」

“ミルクボランティア”はミルクを飲ませ、しつけをするなど母親の代わりに子猫を育て、離乳した後は、新たな飼い主に引き渡す活動です。

5年前から協力しているという小城市の女性は体調の変化に対応するのは難しいと話します。

【ミルクボランティアに協力した女性】
「2時間3時間おきに4匹の猫のミルクを飲ませて、夜中もずっと起きて飲ませる」
「1時半までは元気だったのに3時半にはぐったりなるくらい、赤ちゃんの体調はすごく急変するので、目が離せない」

女性はこれまで10匹を預かり、ようやくコツをつかんできたといいます。

【ミルクボランティアに協力した女性】
「幸せになれるような里親さんの元に送り出して次をと考えている」

県はミルクボランティアを募っているほか、不妊去勢手術の助成なども行っていて、「不幸な命を増やさない」取り組みを続けています。

【県生活衛生課水野伸志さん】
「行政ではできないこともあるので県民の皆さんの力を借りながら動物愛護を進めていきたい」

「最後までいっしょだよ」という思いが込められた県犬猫譲渡センター「いっしょけんね」事前に電話で連絡をお願いします。「犬や猫の見学やふれあいだけでも大歓迎」だということです。