東京大医科学研究所などの研究チームは、ウイルスを使ってがん細胞を破壊する
治療薬「テセルパツレブ(商品名デリタクト注)」を使った、悪性度の高い脳腫瘍(しゅよう)の
患者19人に対する医師主導治験の結果を発表した。治療開始後の1年生存率は84・2%で、従来の14%より高い割合となった。
結果は21日付で医学誌「ネイチャー・メディシン」に掲載された。研究チームの藤堂具紀(ともき)教授らが
開発したテセルパツレブは、口唇ヘルペスの原因を起こす「単純ヘルペスⅠ型」という
ありふれたウイルスを改変したもの。ウイルスをがん細胞の中で増やしてがん細胞を壊し、
次のがん細胞に感染して同じことを繰り返させる。
2015年から始まった医師主導治験では、脳腫瘍の一種「悪性神経膠腫(こうしゅ)」で、
その中でも最も悪性度が高い「膠芽腫(こうがしゅ)」の再発・残存患者を対象にした。
膠芽腫は国内で年間約2千人が新たに診断されているが、再発後に有効な治療法はこれまでにない。
研究チームによると、再発後の1年生存率は14%程度だったという。
以下ソース
https://www.asahi.com/articles/ASQ7Q3HVSQ7PUTFL014.html