安倍晋三元首相の死去を受け、中国の交流サイト(SNS)に「黙禱(もくとう)」と投稿した香港メディアの記者が批判される騒ぎがあった。中国のネットでは、安倍氏の死去を「祝う」投稿も拡散した。中国政府は安倍氏への表立った批判を避けており、中国の一部ネット世論とは対照的だ。ただ、こうした投稿は削除されずに放置されており、識者は「日本に向けたメッセージだ」と指摘する。

香港フェニックステレビの李淼(り・みょう)東京支局長は8日夕、中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に、過去のインタビュー時に安倍氏と握手した写真とともに「また取材をしたいと思っていたが、永遠に実現できなくなった。黙禱」と投稿した。すると、「そんなに取材したければ地獄に行ってしろ」などと批判の書き込みが殺到した。

また、上海のネットメディア「澎湃(ほうはい)新聞」の「評論員」の中国人女性が8日の日本からの中継で、安倍氏が「中日友好に偉大な貢献をした」と涙声で述べたところ、「売国奴」などと批判され、謝罪に追い込まれた。この女性の微博のアカウントは「関係法令に違反した」として利用停止になり、その後、削除された。女性が自殺を図ったとの報道もある。

https://www.sankei.com/article/20220723-ECTBIP6CANIHBKIVTPDSLXAV2Q/