https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/83974
「おかま面白い」LGBTQ+の就職活動で心無い言葉も… “プライド月間” 企業に求められるものとは?
6月はLGBTQなど性的マイノリティについての啓発を目指す「プライド月間」で世界中でイベントが行われました。Nスタでは「就職での困難」を変革しようと立ち上がった当事者そして企業を取材しました。
■「おかまって面白いよね」就職活動で心無い言葉 職場の障壁は?
6月28日に東京・渋谷で配られていた雑誌。LGBTQ+の性的マイノリティの人の仕事探しにおける課題や働きやすい職場づくりに取り組む企業を紹介しています。
雑誌を配る松岡宗嗣さん。ゲイの当事者として雑誌の編集にも携わりました。そこにはゲイであることを隠さずに臨んだ就職活動での心無い経験が・・・
松岡宗嗣さん
「『おかまって面白いよね』というような声かけをされることは、何回かありました。別の会社だとカミングアウトしたことで、むしろセクシュアリティの話だけで30分終わっちゃって、結局落とされるみたいなことがあったり」
LGBTQ+の情報発信をする団体を立ち上げた松岡さん。講演などの活動のなかで、企業で働く際のある課題を感じたといいます。
松岡さん
「自分の性のあり方をオープンにして安心して働けるのかどうかというのが、確証が中々持てない状況だと思うんです」
6月はLGBTQ+の認知度をさらに上げ、権利向上を目指す「プライド月間」。
ただ、職場に目を向けると、職場内でカミングアウトした人の割合は、LGBTのいずれも1割程度。
また、ゲイの人が「友人」にカミングアウトした割合は31.1%であるのに対し、「職場の人」にカミングアウトした割合は5.9%と5分の1程度になっていて、障壁があるのです
■LGBTQ+の人を積極的募集の企業も「自分のありたい姿で・・・」
こうしたなか、先進的な取り組みをしている企業があります。東京都内のタクシー会社「日の丸交通」。
3年前に入社した黒岩さんは、トランスジェンダーの女性です。前の会社では隠していましたが、この会社では採用面接の時からオープンにしました。
その理由の一つには、会社側の取り組みがありました。
トイレの表示をよくみると、男性と女性の真ん中には見慣れないピクトグラムが。性別に関係なく利用できる印なのです。さらに、男性はネクタイ、女性はリボンだった制服も性別問わずネクタイに統一しました。
実は会社がこうした取り組みを行う背景にはこんな悩みがありました。
日の丸交通 採用センター 今田カレン課長代理
「背景には業界的に人手不足がありますので、いかに働きやすく過ごしていただくかとか色々考えたうえで、このような活動をするようになりました」
LGBTQ+の人を積極的に募集し、現在は15人が働いています。
黒岩さん
「みなさん(他の従業員)も理解されているうえで、日々仕事ができるっていうことはやっぱりものすごく大きいのかなと。自分のありたい姿で過ごせるっていうことが一番、私にとしてはやりがいになる」
しかし、こうした配慮をする企業はわずか1割なのが実情です。
企業の取り組みに関わってきた松岡さんは、企業にはLGBTQ+の人が身近にいることを念頭に行動してほしいと話します。
松岡さん
「性的マイノリティの当事者は必ずいるんだという前提にたって、当たり前とか普通とかの認識を変えていかないといけないのかなと」