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教祖の“清め”がルーツ

 旧統一協会(注)は自ら「旧約・新約聖書を教典に『原理講論』を教理解説書とする」(協会刊『こころをつなぐ統一教会』)としていますが実態はそうではありません。聖書の言葉を断片的に使っているけれど、教義の本質があるのは「祝福」と「万物復帰」です。

 ここでいう「祝福」とは集団結婚。信者にとって最高の救いとなる重要儀式です。誰が祝福メンバーに選ばれるのか、相手(相対者)が誰かは本人の意思ではなく組織が決めます。相手の国籍や人種がどうあろうと拒否できません。

 開祖の文鮮明が青年期にかかわったのは「混淫(こんいん)派」という血分け=セックスを教えの基調にする土着宗教。1955年には韓国の梨花女子大事件で学生の不法監禁などの容疑で逮捕されましたが、新聞はこれを「私は神の子だから、私と肉体関係を持てば、あなたは救世主を生むことができる」と説教したと伝えました。これが「祝福」教義のルーツだといっても間違いありません。