性器のかゆみ、もしかしたら「洗いすぎて」炎症を起こしていない?

「清潔に保つ」とは、一体どういうことなのでしょうか。「新宿駅前クリニック」の蓮池先生によると、必ずしも無菌状態を意味しないそうです。
しかし我々は、汚れや菌に対してつい、過剰反応してしまいます。新型コロナウイルス感染症対策の手指衛生などとどう線引きをしていくべきか、詳しく取材してみました。

善玉菌まで取り除いてしまう弊害
編集部:
陰部の病気って、不衛生さによっても起こりますよね?

蓮池先生:
菌類の繁殖を許してしまうという意味ですよね。半分は事実なのですが、その一方で、「陰部を洗いすぎることで炎症に至るケース」が少なくありません。
炎症を起こした箇所は傷付いたり、肌のバリア機能が低下したりしますから、そのことによって菌類の異常な繁殖を許してしまう可能性があるということです。

編集部:
「洗っても、洗わなくてもダメ」となると、どうすればいいのでしょうか?

蓮池先生:
教科書的には「炎症を起こすほど強く洗うな」ということになるのでしょうが、加減が難しいですよね。
そのため、泌尿器科や皮膚科でレクチャーしてもらうのがいいと思います。

編集部:
やはり、我流での対処はリスクですか?

蓮池先生:
そうですね。そもそも、ヒトの皮膚にはいろいろな菌やウイルスがいて、一定のコロニーを築いています。
このコロニーには、「悪さをするよそ者が近づけない」効果もあるのです。
ところが、必要以上に皮膚を洗ってしまうと、コロニーのバランスが崩れてしまいます。
また、下着の蒸れや冬季の乾燥、持病なども、コロニーのバランスを傾けてしまう一因です。

編集部:
こうした相談するとしたら、どういう症状のときに受診すればいいのでしょうか?

蓮池先生:
痛みやかゆみなどが伴っていたら、そのときは遠慮なくご相談ください。
なお、男性の「亀頭包皮炎」や女性の「膣(ちつ)炎」は炎症なのですが、肌荒れと同じような感覚で放置している人がいらっしゃいます。
ただ、放置しても「ダメだ」とは言えないところが難しいところです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3945e330e575713c6ceccc109a65e17b848df61