http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89B06I20121012
[東京 12日 ロイター]
2兆円に迫るソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)の米携帯電話3位
スプリント・ネクステル買収交渉が浮上したことで、
2012年の日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)は年間金額、
件数ともに過去最高を更新する可能性が出てきた。
歴史的な円高と国内市場の縮小を背景に、日本企業が海外に活路を求めていることの証左だが、
投資銀行業界では今後も大型案件が続くと見る向きは少数派だ。
世界的に景気の先行きに不透感さが増す中では、
むしろ、海外M&Aに慎重になる日本企業が増えているとの指摘もある。
<実現なら過去最高>
ソフトバンクとスプリント・ネクステルの両社は12日までに、
出資交渉をしていることを認めた。複数の関係筋がロイターに明らかにしたところによると、
銀行団は総額1.8兆円の協調融資を計画している。
日本企業による過去最大の海外M&A案件となった2007年のJTによる英ガラハー買収、
2兆2133億円(187億ドル)に迫る規模になる。
縮小する日本以外で商圏・商機を拡大するため、日本企業は海外企業へのM&Aを積極的に重ねている。
トムソン・ロイターによると、2012年1月から10月11日までの
日本企業の海外M&Aは4兆3936億円、513件と、
件数、金額ともに昨年1年間の8割の規模に達した。
今回のソフトバンクのスプリント買収が実現すれば、ドル建てで過去最高を記録した
昨年の691億ドルを上回り、円建てでは過去最高を記録した08年の6.99兆円に迫る。
それだけ「日本の企業が外へ外へと成長機会を求めているあかし」と、外資系証券のM&A担当者は言う。