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沖縄本島南部では、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の火葬の待ち時間が長くなっている。急速な感染拡大に伴い感染して亡くなる人も増え、火葬場が逼迫(ひっぱく)している。2カ所の公営火葬場では、約1週間待ちの状態が続いている。中部からの火葬も受け入れている火葬場では、昨年を上回るペースとなっている。

 県のコロナ感染者の死亡者数発表はタイムラグがあり、発表を上回る人数が亡くなっている可能性がある。

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 本島南部と離島の15市町村でつくる「南部広域市町村圏事務組合」が運営する、いなんせ斎苑(浦添市)と南斎場(豊見城市)では、厚生労働省の指針に基づき、コロナに感染して死亡した遺体は一般の火葬と分け、午後3時前後に行っている。「3時火葬」は、いなんせは1日3枠、南斎場で2枠。27日現在、いなんせは8月2日まで予約で埋まり、南斎場も31日まで空きがない状況となっている。

 いなんせと南斎場の担当者によると、今月に入ってコロナ感染の死亡による火葬が増えている。いなんせは6月は19件だったが、7月は22件(27日現在)。南斎場は6月は8件、7月は19件(同)に上る。いなんせは昨年同月が22件で、昨年を上回る見通しだ。

 いなんせの担当者は、那覇や浦添の人を優先しているものの、本島中部で公営火葬場が少なく、中部からも火葬を受け入れていることを逼迫(ひっぱく)の要因に挙げる。担当者は「慢性的に施設が不足している。施設を増やす必要がある」と話す。

 南斎場は、現状2枠から1枠増やし、3枠にすることも検討している。

 火葬まで遺体は葬儀会社で保管される。総合葬祭(那覇市)は専用の遺体安置所を一昨年から設置した。今年の状況について担当者は「昨年に比べ、依頼は減っている」と話し、まだ余裕はあるとの認識を示す。ただ、一般の火葬も混み合っており、待ち時間は4~5日程度だという。火葬のめどがたたず、葬儀日程の調整ができない例も出ている。

(中村万里子、狩俣悠喜、赤嶺玲子)